ものすごく気が重いが夕方には連れて帰れるだろう。
仕事前に病院に連れて行く。
私の顔を見たゆきはおいしが貰えるのかと尻尾を振りまくっているが残念ながらそうではないのだ。
ゴメンよぅ。
めぐです。
キミエと一緒に病院に行くがゆきが車に乗って大人しくしているので可愛くて仕方ない。
不安とかそういう表情ではなく『まぁ仕方ないか・・・』という感じでシラっとしている。
ビビリなクセに意外に大物なのかと思う。
病院に着いて先の患者さん達が（皆手術のようだ）次々預けられる。
さすがにゆきも待合室では落ち着かないようであったが暴れる事もなくいい子である。
ゆきが呼ばれたのでとうとうかと思ったら血液検査が終わるまで待つように指示される。
そりゃ待つしかない。
待っている間ワンちゃんの悲鳴が聞こえるがゆきの声ではないので先のワンちゃんかと思ったら『ゆきちゃん！』という声が聞こえて冷える。
あんな声聞いた事なかったよ。
一体何をされているのか不安になる。
３０分程して呼ばれる。
先生が深刻な顔で心臓がものすごく悪い事を教えてくれる。
カミナリで発作があった位だから覚悟はできていた。
そして肝臓も悪いとの事だ。
人間でいうと７０歳も過ぎているので悪いトコロがあるのは仕方ないがショックであった。
でも先生が今日連れて帰ってくださいと言うので心配はないっていう事よね？？？
勝手にそう解釈する。
そして『ゆきちゃんに会って帰ってください』と言われるので慌ててゆきの元へ行く。
ゲージに入ってイイ子にしている。
背中の毛が刈ってありきっとこの時に悲鳴を上げたのだな。
でも血もキレイにして貰っていたので良かった。
ゆきに頑張れと元気に帰ろうと告げていると涙が出てきた。
キミエがやたら長く何やら言っていたのでゆきが興奮してきたので慌てて退散する。
もうお任せするしかない。
頑張るんよ。
それから仕事に行ったのだが気が気じゃない。
でもいつも以上に働かないと悪い事が起きそうでいつも以上にマジメに頑張った。
食欲もなかったがゆきの分まで食べるのだ。
何かあったら自宅に電話がかかるので私の携帯に家の着信がない事を祈る。
お昼が過ぎてもう手術も終わったであろう時間も何もない。
そして夕方になる。
これは安心である。
病院からお迎えの電話があったらすぐにマサオと行くように言っていたのだがその連絡もない。
もう１８時になろうかという頃に家に電話してみるとまだのようで私が病院に電話する事にした。
先生に代わるとゆきは麻酔もとけて元気なようで安心する。
なので近くにいた私がお迎えに行く。
安心して車内で涙ぐむ。
病院に到着しまず支払いをして待っているとゆきの元気な顔がチラっと見えた。そして呼ばれる。
ゆきの傷口を見せてもらったがキレイに縫われている。
しかも診察台でも尻尾を振って私に寄ってくる。
まだヨロヨロしているかと思ったがものすごく元気だ。
先生もその尻尾の動きに『ゆきちゃんはものすごく元気だね』と言ってくれたので喜んでゆきの頭を撫でてやる。
また尻尾がすごく揺れる。
１０日後に抜糸で連れてくればいいようだ。
その他の今後の話はその時にという事だった。
本当に良かった。
車中でゆきはまた元気で助手席に座らせたつもりが運転席までやってきたりするので危ないったらありゃしない。
警察が見たら大変である。
ゆきの頭を抑えながらやっと帰った。
家の入り口の角にはマサオとキミエとあきが出て待っていた。
ほら、みんな待ってるよ。
すぐにゆきを下ろしてみんなで歩いて家まで行く。
あきがずっと聞いた事ない声で鳴いてご飯も全く食べていないようであった。
あきは生まれた時からゆきが側にいたので本当に不安だったようだ。
ごめんね、あき。
そして家に着くや否やあきの食べていない缶詰を見つけて盗み食いをするゆきであった。
これは笑った。
どこまで食いしん坊なん。
そしてあきとゆきにまたおいしをあげて喜んで食べる姿にまた涙が出た。
このままずっと仲良しで一緒に暮らそうね。
ゆきはカワイイなぁ～とどんどんおいしをあげたくなるがこの４日間でゆきは１キロ太っていた。
今日の体重は２０．４キロであった。
どんだけデブなのかと思う。
喜ぶからといって過剰にもうご飯はあげません。
でもダイエットは無理にはしないけど。
楽しく余生を過ごさせてあげなくちゃ。
今日は本当に良い日であった。
あぁ良かった。
これもはるのお陰だ。
陰ながら見守ってくれたはるにも頑張ったゆきにも寂しい思いをしたあきにもよく頑張ったねと言ってあげなくては。
そして私もマサオもキミエも心配してお疲れ様。
ひとまず安心して生きていけるよ。
もっと可愛がってメロメロになるよ～。
最初は怖かった先生、本当に有難うございました。
本当に感謝しています。
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