親の思い、子の思い。

あぁ今日も食べ過ぎてしまった。
いくら走っても追いつきませんぜ。
しかも今日はジムにも行かなかったし。
まぁ長い目で頑張ろう。
頑張るのだ、私。
めぐです。

満腹ゴロゴロの私にキミエが何やら親戚内の話を始めた。
キミエの妹の娘（私のイトコ）は本家なのでと養子をもらって散髪屋を営んでいる。
旦那さんが理容師だったという話なのだが立派だなぁと思う。
2児の母親なのだがその長男（私の甥）が今回高校を卒業したようだ。
下の娘も高校生だし。
私より５つ年上なだけなのにものすごい違いだ。
その高校というのも両者一緒で私の母校である。
なのでさして進学校でもないというレベルなのであるが。
その長男というのが高校に入った頃心臓が悪くなり心臓にペースメーカーを入れている。
きっと子供だから保険もそんなに入ってなかっただろうから大変だったろう。
心配をしていたがそれからは元気だったようで高校をようやく卒業という事であった。
そりゃ良かった。

が、ここからがややこしい話のようだ。
どうも家業を継ぐつもりはないようで外で働きたいとの事だ。
あら？？？
それはそれでもう就職は決まっていないといけないのでは？？？
私も高校を卒業して専門学校に行くつもりがやっぱり家を出たくないという甘えから夜のフリーターとして働いていた。
今でもその時期は勉強にはなったと思うがフツーに就職しておけば良かったななどと思う事もある。
別に破天荒な生き方がしたかった訳ではないが今よりフツーの事を選べない性質だったので仕方ないっちゃ仕方ない。
その長男は私みたいなタイプではなくもうちょっと内向的だ。
大丈夫かいな？と私も話を聞きながら心配になった。

そしてどうもそのペースメーカーのせいで自動車学校の入学も断られているらしい。
この田舎では免許がなければ何にもできないのだ。
それで荒れて荒れて大変だったようである。
『なんでこんな体に産んだのか？！』と言い放ったと聞き何だかやりきれない気持ちになった。
イトコのお姉ちゃん可哀想に。
本当に子供を育てるのは大変だと思う。
私はまだというか申し訳ないが子供の立場しか分からないが年齢は大人に近づいたといってもまだ子供である。
車の運転とか楽しみたい事がたくさんあるだろう。
それをダメだと言われたら荒れるのも分かる。
でも産んだ事を責められては親は辛いだろう。
病気の時は自分が変わってあげられたらと心から思ったはずだ。
そんなのだったら自分がなった方がマシだと思ったろう。
その子もそうだが私もかなり甘やかされて育っているのできっと同じ立場だったら同じ事を言ったかもしれん。
直接ではなくてもそんな事は言っただろう。
子供だから仕方ないけど今後は言っちゃダメよ！と思う。
産んだ体が悪いのではなく自分の体がそういう運命だったのだ。
だからといって自分を悲観しないで前向きに楽しめたらいいのになと思うのだ。
まだ分からなくてもこれから人生を進んでいく上で気付いてくれるのを願うばかりだ。

結局フリーターとなってプラプラとバイトをすると言っているようだ。
きっと車の免許も取れない事はないだろうし。
何だか私みたいで怖い。
ものすごく社会勉強をさせられて家と社会の差におののく事だろう。
イトコ達も相手は男の子だから家を追い出して好きにさせてやりたいが体の事があるのでそうもいかないと言っているらしい。
まぁそんな子が家業を手伝ったところで成長しないから外で働かすのはいいと思う。
私の家も自営業なので高校を卒業してからずっと家の仕事なんかしてたら大変な事になっていた。
人生の半分が社会人となった私であるがやっと社会について分かってきた位だし。
外が厳しいから家で安らげる。
なのでいつまでも実家でノンキで暮らしているのだが。
嫁に行く事もないな、こりゃ。
家にはカワイイ子がたくさんいるからそれで幸せですよ。
マサオもキミエもカワイイし。

何だかそれを聞いていると私のその頃も色々言われていたのだろうなと思う。
血が濃い親戚なのだ。
キミエも好き勝手やってきたのだしその娘がこんな感じだというのも分かって貰えているだろうし今となっては私も絶大な人気があるしな。
うちの家系は早婚が多いので中にこんなプラっとした遊び人みたいな楽しげな人がいても良いだろう。
たまに『めぐちゃん嫁には行かんの？』と聞かれたりするが『こんな感じだしね』と笑っているだけで話は済む感じだし。
それにしても人の親になるというのは大変な事だ。
家族仲良く幸せです！というだけじゃないのだ。
本当に尊敬します。
こっちはネコの家出で死に掛かっていたが問題のレベルは同じなのだ。
みんな幸せでいれればいいな。
男子もどうせなら私に相談しろ。
そっちの話は一番強い頼りになる身内なのだからな。
まぁ彼は会っても私のキョーレツさにビビって一言二言しか話してくれませんけどね。
そりゃ申し訳ない。